【速報・解説】永住許可の審査が厳格化へ?年収575万円・年金30年基準の報道と今後の注意点

公開日:2026年7月29日

2026年7月、永住許可に関する大きなニュースが入ってきました。

弊所でも永住許可申請のご相談・ご依頼は多く、今回報じられている見直しは、これから申請を考えている方だけでなく、すでに申請中の方にとっても大きな影響を及ぼす可能性があります。

外国人の永住許可について、年収・年金・日本語能力・配偶者特例などを見直す方針が報じられています。特に注目されているのが、「日本人世帯の平均を上回る年収」「厚生年金に30年加入していた水準の年金受給見込み額」を求めるという内容です。

もっとも、2026年7月29日18時時点では、出入国在留管理庁・法務省から、新しい年収基準や年金基準を正式に反映したガイドライン、FAQ、経過措置は確認できません。したがって、本記事では、現時点で確認できる公式情報と報道ベースの情報を分けて整理します。

この記事の重要な前提:以下の内容は、2026年7月29日18時時点の報道・公的資料・関連解説をもとにした暫定的な整理です。正式な要件は、今後公表される出入国在留管理庁のガイドライン改定やFAQを確認する必要があります。

今回報じられている見直しの全体像

報道や関連解説で取り上げられている主な論点は、次のとおりです。

表1:永住許可要件の見直しで報じられている主な論点
論点 報じられている内容 現時点での注意点
年収基準 日本人世帯の平均を上回る年収を継続して求める方向 具体的にどの統計・どの世帯区分を使うかは未公表です。
年金基準 厚生年金に30年加入していた水準の年金受給見込み額を求める方向 老齢基礎年金を含めるのか、厚生年金の報酬比例部分をどう見るのかなど、詳細は未公表です。
金融資産による補完 年金見込み額が不足する場合、預貯金・有価証券などの資産を考慮する可能性 必要額、対象資産、何年分の不足を補う必要があるかは未公表です。
配偶者特例 日本人・永住者等の配偶者について、婚姻期間・日本での在留期間を長くする方向 現行ガイドライン上の特例とは異なるため、正式改定の確認が必要です。
適用時期 年収要件は2026年10月から、その他の要件は2027年4月からとする報道があります。 申請済み・審査中案件への適用範囲は、公式には未確認です。

新たな年収基準とは何か

これまでの永住許可申請では、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること、つまり日本で安定して生活できることが重視されてきました。実務上は、単身者であれば年収300万円台が一つの目安として語られることもありましたが、これは法令上の一律基準ではありません。扶養人数、家族構成、納税状況、在留資格、職業の安定性などによって評価は変わります。

今回の報道では、この収入面の評価について、日本人世帯の平均を上回る年収を継続して求める方向だとされています。

ただし、現時点では、出入国在留管理庁が「どの統計を使うのか」「どの世帯区分を基準にするのか」「本人収入を見るのか、世帯収入を見るのか」を正式に公表していません。そのため、以下の表は、報道上の金額感を理解するための参考値として整理するものです。

表2:世帯区分別の平均所得金額(2025年国民生活基礎調査・2024年所得)
世帯区分 平均所得金額 永住申請で問題になり得るポイント
全世帯 575万2,000円 報道や解説動画で「年収575万円」として取り上げられている金額に近い参考値です。
高齢者世帯以外の世帯 700万7,000円 この区分が参照される場合、年収700万円台が問題になる可能性があります。
児童のいる世帯 857万3,000円 扶養家族や子どもがいる世帯では、より高い収入水準が問題になる可能性があります。
高齢者世帯 336万1,000円 現役世代の永住申請にそのまま使われるとは限りません。

ここで重要なのは、「575万円」という数字だけを見て判断しないことです。報道でいう「日本人世帯の平均」が、全世帯平均を指すのか、高齢者世帯を除く平均を指すのか、扶養人数に応じて加算されるのかは、まだ正式には明らかになっていません。

仮に「高齢者世帯以外の世帯」の平均が参照される場合、年収700万円台が一つの目安として問題になる可能性があります。また、扶養家族が多い場合には、単純な本人年収だけでなく、世帯全体の収入や扶養状況がより厳しく見られる可能性があります。

新たな年金基準とは何か

もう一つの大きな論点が、「厚生年金に30年加入していた水準の年金受給見込み額」です。

この点は、単に「これまで年金を納めてきたか」だけでなく、将来の老後生活を自立して維持できるかという観点に関係します。永住許可後に高齢となった場合に、生活保護など公的扶助に依存するリスクをどう評価するか、という問題です。

ただし、現時点では、年金基準の正式な計算方法は公表されていません。以下は、世帯平均所得575万2,000円を単純に月額換算し、厚生年金の報酬比例部分のみを概算した参考例です。実際の年金額は、標準報酬月額、標準賞与額、加入時期、加入期間、老齢基礎年金の有無などによって変わります。

表3:厚生年金の報酬比例部分の概算例(老齢基礎年金を除く参考値)
加入期間 報酬比例部分の年額概算 月額換算 注意点
30年加入 約95万円 約7万9,000円 報道でいう「30年水準」を考える際の一つの概算例です。
10年加入 約32万円 約2万6,000円 永住申請の原則的な在留期間10年と比較すると、30年水準との差が大きくなります。

この表から分かるように、日本での厚生年金加入期間が10年程度の場合、仮に一定の年収があったとしても、30年加入モデルと比べると年金見込み額には大きな差が出ます。

特に、次のような方は影響を受けやすい可能性があります。

  • 日本での厚生年金加入期間が短い方
  • 海外で長く働いた後、日本に来た方
  • 国民年金中心の個人事業主
  • 役員報酬を低く設定している会社経営者
  • 扶養家族が多く、将来の生活費負担が大きい方

なお、厚生年金には標準報酬月額などの仕組みがあるため、単に現在の給与を高くすれば、過去の加入期間の短さをすべて補えるわけではありません。今後は、年金記録、納付状況、将来の受給見込み、資産形成の状況を総合的に説明する必要性が高まる可能性があります。

不足分は金融資産で補えるのか

報道や関連解説では、年金見込み額が基準に届かない場合でも、不足分を補えるだけの金融資産があれば考慮される可能性があるとされています。

ただし、この点も正式な基準は未公表です。預貯金、有価証券、投資信託、不動産などのうち何が対象になるのか、何年分の不足を補う必要があるのか、資産の形成過程をどこまで説明する必要があるのかは分かっていません。

表4:金融資産で補完する場合に問題になり得る事項
確認される可能性がある事項 説明のポイント
資産の金額 預貯金、有価証券など、老後生活を支えるだけの資産があるか。
資産の形成過程 給与、事業収入、売却益、相続など、どのように形成した資産か。
資産の安定性 一時的な借入金や短期的な入金ではなく、実質的に保有している資産か。
家族構成との関係 配偶者、子、海外扶養親族を含めた生活費に照らして十分か。
資料の整合性 課税証明書、納税証明書、年金記録、通帳、証券残高などに矛盾がないか。

たとえば、年金見込み額が毎年約60万円不足すると仮定し、25年分を補うと考えれば、単純計算では1,500万円程度の資産が問題になる可能性があります。ただし、これはあくまで考え方を説明するための一例であり、入管庁がこの計算方法を採用すると決まったものではありません。

配偶者特例の厳格化にも注意が必要です

年収や年金に注目が集まりがちですが、日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者に関する居住要件の特例も見直しが報じられています。

現行の永住許可ガイドラインでは、日本人・永住者・特別永住者の配偶者について、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していることが特例として示されています。

表5:配偶者特例の居住要件に関する現行基準と報道ベースの見直し案
区分 婚姻期間 日本での在留期間 注意点
現行ガイドライン 実体を伴った婚姻生活が3年以上 引き続き1年以上 現時点で公式に確認できる基準です。
報道ベースの見直し案 5年以上 3年以上 正式なガイドライン改定は未確認です。

配偶者ビザから永住申請を検討している方にとっては、申請時期に大きく影響する可能性があります。もっとも、正式な改定前に「必ず5年・3年になる」と断定することはできません。今後の公式発表を確認しながら、申請可能時期と必要資料を慎重に検討する必要があります。

新基準はいつから適用されるのか

最も気になるのが、今回の見直しがいつから適用されるのか、そしてすでに申請済みの案件にも影響するのかという点です。

現時点では、報道機関や関連解説によって表現に違いがあります。特に、2026年4月以降に受理された申請にも年収基準を適用するのかどうかは、非常に重要な論点です。

表6:適用時期に関する情報整理(2026年7月29日18時時点)
情報源・区分 年収要件の適用時期 2026年4月以降の申請への適用 注意点
読売新聞報道として紹介されている内容 2026年10月から 確認できる範囲では明記なし 年収要件を先行導入するという点では他報道と整合しますが、審査中案件への扱いは不明です。
朝日新聞報道として紹介されている内容 2026年10月1日改定とされています。 2026年4月以降の申請にも適用される可能性があるとされています。 重要な具体的報道ですが、現時点では公式確認・独立確認が十分ではありません。
出入国在留管理庁・法務省 未発表 公式なガイドライン改定・FAQ・経過措置は確認できません。 正式な判断は、今後の公式発表を待つ必要があります。

朝日新聞の報道どおりであれば、すでに2026年4月以降に永住許可申請を済ませ、現在審査中の案件にも、新しい年収基準が影響する可能性があります。

しかし、2026年7月29日18時時点では、入管庁から「2026年4月以降の申請にも適用する」と明記した公式資料は確認できません。したがって、現段階で「4月以降の申請に年収基準を適用することが正式決定した」とまでは言えません。

正確には、「重大な報道はあるが、公式確認はまだ取れていない。審査中案件に影響するリスクはあるため、備えておく必要がある」という整理が適切です。

すでに申請中の方が準備しておきたい資料

2026年4月以降に永住許可申請をした方や、これから申請を予定している方は、正式な追加資料提出の案内が出ていない段階でも、次の資料を整理しておくとよいでしょう。

表7:今から整理しておきたい資料
資料の種類 確認しておきたい内容
課税証明書・納税証明書 直近数年分の所得額、扶養人数、住民税の納付状況に不備がないか。
源泉徴収票・確定申告書控え 給与収入、事業所得、役員報酬などの内容が説明できるか。
年金記録 厚生年金・国民年金の加入期間、未納・免除・猶予の有無を確認します。
ねんきん定期便・年金見込額 将来の年金見込み額を説明できる資料として整理します。
預貯金通帳・残高証明書 資産額だけでなく、資産形成の過程を説明できるかが重要です。
証券口座の残高資料 有価証券や投資信託を保有している場合、評価額と保有期間を整理します。
扶養親族に関する資料 国内外の扶養親族、送金状況、生活費負担を確認します。

特に、年収や年金の数字だけでなく、資料全体の整合性が重要になります。課税証明書上の扶養人数、確定申告の内容、年金記録、預貯金の動きに矛盾があると、追加説明が必要になる可能性があります。

まとめと今後の対策

今回の報道が示している方向性は、永住許可審査が、現在の生活の安定だけでなく、将来にわたる経済的自立までより厳しく確認する方向へ進む可能性がある、ということです。

特に、年収、年金、資産、扶養家族、配偶者特例、審査中案件への適用時期は、多くの申請者に影響する可能性があります。

表8:申請者が取るべき今後の対応
対応 具体的に行うこと
公式発表の確認 出入国在留管理庁のガイドライン改定、FAQ、経過措置を確認します。
収入資料の整理 課税証明書、納税証明書、源泉徴収票、確定申告書を確認します。
年金記録の確認 ねんきんネット等で加入期間、納付状況、見込額を確認します。
資産資料の準備 預貯金、有価証券、不動産などを整理し、形成過程を説明できるようにします。
扶養状況の確認 国内外の扶養親族、送金状況、世帯人数を確認します。
申請時期の再検討 配偶者特例や審査中案件への影響を踏まえて、申請時期を慎重に検討します。

2026年4月以降に申請済みの方については、新基準の対象となる現実的な可能性があります。ただし、現時点で「正式に遡及適用が決定した」とまでは言えません。

したがって、現段階では、「正式発表を待ちながら、追加資料の提出に備えておく」ことが最も現実的な対応です。

当事務所でも、出入国在留管理庁から正式なガイドライン改定やFAQが公表され次第、随時最新情報を発信してまいります。永住許可申請に不安がある方は、申請時期、収入資料、年金記録、資産資料を早めに確認しておくことをおすすめします。

※この記事は、2026年7月29日18時時点で確認できる報道、公的資料、関連解説をもとに作成しています。今後の正式発表により、内容が変更される可能性があります。

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報道機関の参考ページ

 

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