【2025年10月改正】経営管理ビザ「自宅兼事務所」は原則NGへ!新基準に基づく”審査シミュレーション”と対策

公開日:2025年11月21日

【2025年10月改正】経営管理ビザ「自宅兼事務所」は原則NGへ!新基準に基づく”審査シミュレーション”と対策

 

「創業期は自宅をオフィスにして、固定費を抑えたい」

日本で起業を目指す外国人経営者の方から、長年もっとも多く寄せられてきた相談がこの「オフィス要件」です。しかし、2025年10月16日に施行された入管法および関連ガイドラインの改正により、その前提は完全に崩れ去りました。

結論から申し上げますと、改正後の現在、自宅兼事務所での申請は「原則禁止(不許可)」という非常に厳しい運用にシフトしています。

かつてのように「部屋をパーティションで区切ればOK」という認識で申請すれば、高い確率で不許可となるでしょう。しかし、100%不可能になったわけではありません。新法が求める「高いハードル」を論理的にクリアした場合にのみ、例外的に認められる道は残されています。

本記事では、まだ審査事例が出揃っていない改正直後の今だからこそ知っておくべき、**新ルール下での「審査シミュレーション」と、許可を得るために絶対に外せない「3つの条件」**を徹底解説します。


1. なぜ2025年10月改正で「自宅」がダメになったのか?

 

今回の改正は、単なるルールの変更ではなく「経営管理ビザにおける事業規模の定義」が根本から覆されたことを意味します。

自宅兼事務所が事実上のNGとなった背景には、以下の2つの衝撃的な新要件があります。

①資本金要件の引き上げ(500万円 → 3,000万円以上)

 

これまでは500万円の投資で済みましたが、現在はその6倍、3,000万円以上の資本金が求められます。

審査官はこう判断します。「3,000万円もの資金力がある企業が、なぜ専用のオフィスを借りないのか? 家賃を抑えなければならないほど事業計画が杜撰なのか? あるいは事業の実態がないのではないか?」

つまり、自宅兼事務所であること自体が、事業の信憑性を疑われる最大の要因となってしまったのです。

②常勤職員1名以上の雇用義務化

 

以前は社長一人(一人社長)でもビザが降りましたが、現在は**「常勤職員(日本人や永住者等)を必ず1名以上雇用すること」**が義務付けられました。

これにより、「従業員が毎日8時間働くための十分なスペース」が必須となり、1LDKや2DKの自宅一室では「物理的に労働環境を用意できない」と判断されるようになったのです。

2. 新基準でも許可されるための「3つの絶対条件」

 

「原則NG」とはいえ、法律で100%禁止されたわけではありません。しかし、そのハードルは以前とは比べ物にならないほど高くなっています。

新基準において審査の遡上に載る(門前払いされない)ためには、以下の3条件をすべて満たす必要があります。これらは「努力目標」ではなく「必須事項」です。

条件①:玄関が別々になっている「完全分離型」であること

 

改正前のように、家族と同じ玄関で靴を脱ぎ、廊下を通って奥の部屋へ行くスタイルは認められません。

  • NGな構造: 玄関のドアが1つしかなく、家族と従業員が同じ入り口を使う物件。 (※建物のエントランスのことではありません。事務所に入るためのドアの話です。) 従業員が事務所へ行くために、家族の靴が並ぶ玄関で靴を脱ぎ、生活用の廊下を通らなければならない構造は、セキュリティやプライバシーの観点から不許可になります。

  • 求められる構造: 「住居用の玄関」と「事務所用の玄関」が物理的に分かれている戸建てや、メゾネットタイプ等の物件。

従業員や来客が、社長のプライベート空間(廊下やリビング)に一切足を踏み入れずに業務スペースへ移動できる「動線の完全分離」が不可欠です。

条件②:従業員用のデスクと休憩スペースが確保されていること

 

これが今回の改正で最も大きく変わった点です。「常勤職員」の雇用が義務化された以上、労働基準法に準じた環境が必要です。

  • 執務環境: 従業員専用のデスク、チェア、PCが完備されていること。ダイニングテーブルでの兼用は不可。

  • 福利厚生: 従業員が気兼ねなく使えるトイレや休憩スペースが確保されていること。「トイレに行くたびに社長の家族と顔を合わせる」ような環境は、適切な事業所として認められません。

条件③:用途地域と契約内容の整合性

 

資本金3,000万円の企業として、コンプライアンス(法令順守)が厳格に見られます。

  • 用途地域: その自宅が「第一種低層住居専用地域」などの住居専用エリアにある場合、事務所としての使用が制限されることがあります。大規模な会社が用途地域違反を犯している場合、ビザは不許可になります。

  • 契約内容: 賃貸契約書において「事務所使用可」「法人登記可」の特約があることは当然として、看板掲示も必須です。こっそり営業することは許されません。

3. 【徹底予測】新基準ではこう判定される!ケース別シミュレーション

 

改正から間もない現在、具体的な許可事例はまだ世に出ていません。しかし、新法が求める「要件」を物件に当てはめることで、審査の結果を論理的に予測することは可能です。

ここでは、これまでよくあったケースが新基準でどう判定される可能性が高いかをシミュレーションします。

【ケースA:危険度「大」】従来の定番「2LDKマンション」

 

  • 設定:

    • 物件:住居専用地域の2LDKマンション

    • 使用状況:1部屋を事務所、もう1部屋とLDKを住居として使用

    • 従業員:常勤1名採用予定

【審査予想】高い確率で「不許可」リスクあり

解説:

改正前なら通っていた「ザ・定番」のケースですが、今回は不許可になる可能性が極めて高いです。

最大の理由は「従業員の労働環境として不適切」だからです。従業員がトイレやキッチンに行く際に、必ず社長の生活空間を通らざるを得ない構造は、雇用義務化された新基準では認められにくいでしょう。

また、資本金3,000万円規模の事業を行う場所として、住居専用マンションの一室はあまりに不自然であり、事業の安定性・継続性を否定される材料になります。

【ケースB:可能性「アリ」】動線が独立した「戸建て・メゾネット」

 

  • 設定:

    • 物件:用途地域が近隣商業地域の2階建て戸建て(またはメゾネット)

    • 使用状況:1階を事務所専用、2階を住居専用として区分

    • 従業員:常勤1名採用予定

【審査予想】要件を満たし「許可」される可能性がある

解説:

このケースは「自宅」であっても、実質的にオフィスとしての独立性が保たれています。

ポイントは「玄関や動線の分離」です。1階に事務所専用の入り口があり、従業員が2階(生活空間)に立ち入らずに業務が完結できる構造であれば、「職住分離」ができていると判断されるでしょう。

ただし、用途地域が事務所利用可能なエリアであることは必須条件です。

4. 審査官の視点はここが変わった

 

これから申請する方は、審査官が以下の視点でチェックしていることを意識してください。

①「3,000万円の資金力があるのに、なぜ自宅なのか?」という合理性

これまでは「創業時の節約」という理由で通じましたが、高額な資本金が要件となった今、「ケチっている」ではなく「事業上の明確な理由(例:地域密着型サービスでその立地が不可欠など)」が求められます。合理的な説明がつかない場合、ペーパーカンパニーを疑われます。

②従業員目線での「ホワイトな職場環境」か

雇用が義務化された以上、労働基準監督署の視点に近いチェックが入ると想定すべきです。「家族の生活音が聞こえる」「社長の家のトイレを借りる気まずさがある」といった環境は、事業所として認められないリスクが高まります。

5. まとめ:今、申請者が取るべき戦略

 

2025年10月の法改正は、経営管理ビザの歴史の中でも特に厳しい「引き締め」です。まだ新基準での審査実績が蓄積されていない今、「過去の成功体験」や「ネット上の古い情報」に頼るのはギャンブルに近い行為です。

  1. 基本は「専用オフィス」を借りる:資本金3,000万円を用意できる資金力があるならば、最初から小規模でも専用の事務所(SOHO可物件ではなく、事務所専用物件)を契約するのが最も確実であり、結果的に最短ルートです。変な疑いを持たれずに済みます。
  2. 自宅にするなら「構造」と「地域」を見る:どうしても自宅にする場合、玄関が2つある物件や、フロアが完全に分かれている物件を選び、必ず「用途地域」を確認してください。
  3. 専門家の事前診断を受ける:契約前に必ず物件の図面と契約条件を行政書士等の専門家に見せ、「新基準の従業員要件を満たせるか」を確認してください。

失敗できない新基準でのビザ申請

 

「昔はこれで通ったと聞いた」という情報は、現在では命取りになります。

あなたのビジネスプランと選定物件が、2025年最新の厳格化された法改正に対応できているか。不安な方は、賃貸契約を結ぶ前に専門家の診断を受けることを強くお勧めします。

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